「オイル交換を自分でやってみたいけど、できるのか不安」という方に向けて、作業手順を写真つきで詳細に解説してみました。
この記事の内容:
- オイル交換はどんな作業内容なの?
- 道具は何が必要になる?
- どんな手順で進めればよい?
- 自分で実施するメリット/デメリットは?
この記事の内容を参考にしてもらえば、オイル交換・フィルター交換の作業内容や手順を理解できると思います。
自分でやってみようという方の一助になれば幸いです。
<筆者プロフィール>
・会社勤め35年、ITエンジニア
・バイク歴13年
・原付から1800ccツアラーまで経験
・所有したバイクの台数は11台
オイル交換を自分でやるメリット/デメリット
メリット
オイル交換を自分で行うメリットとしては、
- 普段あまりチェックしない箇所を自分の目で確認する機会になる
- 抜き取ったオイルの状態を自分でチェックできる
- 自分で好みのオイルを選べる
- オイルを比較的安く調達できる
- 道具を揃えてしまえば、消耗品の費用だけで済む
- 自分のスケジュールでオイル交換ができる(予約や空き状況の確認が不要)
といった点になりますね。
デメリット
一方、デメリットですが、
- 作業の手間がかかる
- 道具が必要
- 作業場所を確保する必要がある
といった点が挙げられます。これがバイクショップに依頼する理由にもなりますね。
オイル・フィルター交換に必要な道具と消耗品
必要な道具や消耗品は、それぞれ次のものになります。
オイル交換・フィルター交換に必要な道具:
– ラチェット式レンチセット
– トルクレンチ
– オイルジョッキ
– フィルターレンチ
あると便利な道具:
– メガネレンチ(17mm)
– ゴム手袋
必要な消耗品:
– オイル
– フィルター
– ドレインワッシャー
– 廃油処理パック
– パーツクリーナー




なお、実際に使用している道具や消耗品については、具体的な商品名・型番や使用感を別記事「製品レビュー:Vストローム250 オイル交換・フィルター交換の主要パーツ」で紹介しています。
使用オイル
今回使用したオイルは「YAMALUBE Standard plus」です。エンジンオイルに何を使うかは、いろんな考え方があると思いますが、他のバイクでの使用経験から、スクーター以外はYAMAHAのオイルを使い続けています。

交換手順
実際のオイル交換作業に入る前に、現在のオイルゲージの状態を確認しておきます。

オイル量は問題なさそうですが、汚れてそうです。
交換作業後の色と比較すると汚れていたのがよく分かります。
それでは、オイル・フィルター交換の手順を、順追って説明していきます。
アンダーガードを外す
フィルターを交換する場合、フィルターが写真の矢印のところにあるために、アンダーガードを外す必要があります。オイル交換のみの場合はこのステップは省略です。


暖機運転
スムーズにオイルを抜き取れるように、エンジンをかけてオイルを温めます。
時間は1〜2分程度にしています。エンジンもオイルも高温になりますので、温め過ぎに注意です。
オイルフィラーキャップを緩める
廃油をスムーズに抜くために、フィラーキャップを少し緩めておきます。

ドレインボルトを緩める
ドレインボルトを少し緩める。規定のトルクで締められているので少し力がいります。ボルトをなめるのが嫌なので、私はいつもメガネレンチを使っています。写真の矢印のボルトがドレインボルトです。

廃油処理パックをセット
廃油を捨てるためのパックをセットします。外の袋を適切な高さで折り返し、中の綿をほぐして、ドレインボルトの下に設置。やや外めに設置するのがポイント。オイルが勢いよく出るためです。


ドレインボルトを外す
ボルトを外していきます。私はこの作業がどうも苦手で、手にオイルがかかったり、ボルトを廃油処理パックの中に落としたりするので、いつもゴム手袋でやるようにしてます。


廃油がでてくるので(矢印の部分)、色に異常がないかとか、異物はないかとか、一応見るようにしてます。そこそこ汚れてるようです。
フィルター交換のために養生
フィルターを外したときにオイルが流れ出るので、うまく廃油処理パックに流れるように養生します。すべり台を作るような要領です。
今回の素材は、アマゾンなどで買い物したときに緩衝材として使われている厚めの紙を使いました。折り畳んで重ねて、その上にキッチンペーパーを敷いています。

先走ってフィルターレンチを取り付けちゃってました(矢印の部分)。
フィルターを外す
フィルターを外していきます。専用のフィルターレンチをラチェットレンチにセットし、フィルターを外します。

フィルターをゆるめたときに、オイルがうまく流れてくれたようです。養生がうまくいきました。

ワッシャをセット
ドレインボルトも新しいものに交換すべきなのかもしれませんが、私は掃除してそのまま使ってます。パーツクリーナーで油分を落とし、拭いておきます。
ワッシャーは毎回新しいものに交換しています。新しいワッシャーは、オイルフィルターセットに入っているのでそれを使っています。

ボルトを取り付け
オイルゲージが空になっているのを確認して、ボルトを取り付けます。

ドレインボルトは、トルクレンチを使って規定のトルクで締めつけます。正しい規定トルクがいくつなのか、22N・mという情報も、24N・mという情報もあって、ちゃんと確認してないのですが、間を取って23N・mで締めてます。これまでのところ、何回かオイル交換してますがオイル漏れ等の不具合は起こしてないので、今回も23Nmにしときます。
フィルターを準備
新しいフィルターのOリングにオイルをなじませて、取り付けの準備をします。


フィルターを取り付け
フィルターを取り付けます。これは手作業です。手で締められるところまで締めたらok。

ボルト周り、フィルター周りを清掃
ドレインボルト、フィルターの周りを今一度、掃除します。オイル注入後に漏れなどがあったときに明らかに分かるように油分を取っておきます。
オイルを注入(2L)
新しいオイルを入れていきます。フィルター交換時の必要オイル量は2.2Lですが、まずは2.0L。2本まるまる入れます。
一旦、オイルが規定量入ったようなゲージになりますが…。


エンジンかける
エンジンをかけてオイルを循環させます。
すると、オイルゲージがまるで空になっているような状態になります。

オイルを追加(0.3L程度)
オイルを追加で0.3L程度入れます。ゲージが正しい位置(オイル面がFとLの間)になっていればokです。


ボルト周り、フィルター周りに漏れがないことを確認
再度エンジンをかけ、オイルを循環させた後、ボルト周りやフィルター周りに漏れがないことを確認します。
アンダーガードを取り付け
最後に、最初のステップで外したアンダーガードを元通りに取り付けて完了です。


まとめ
Vストローム250のオイル・フィルター交換は、適切な道具があれば比較的簡単に行えます。
- 作業に手間はかかりますが、バイクの状態を把握できる
- オイルの種類を選べる
- 継続して行えばコストを抑えられる
といったメリットがあります。
初めての方は慎重に進める必要がありますが、一度やってみると意外と簡単に感じるかもしれません。是非、バイクのメンテナンスに楽しみながらチャレンジしてもらえればと思います。