名門サンプドリア、セリエC降格へ。名門クラブに何が起きたのか?

2025年5月、イタリアから驚きのニュースが飛び込んできました。
かつてセリエAを制し、ヨーロッパでも一時代を築いた名門サンプドリアが、ついにセリエC(イタリア3部)への降格が決定しました。

5月の最終節、セリエB第38節。サンプドリアは勝利が必要な状況で、痛恨のスコアレスドロー。勝ち点が伸びず、最終的に18位が確定。自動降格圏に沈んだまま、来シーズンのセリエC行きが確定しました。

まさか、あのサンプドリアが――。
サッカーファンならずとも、このニュースに胸を痛めた方も多いのではないでしょうか。

<筆者プロフィール>
・会社勤め35年、ITエンジニア、東京都在住
・サッカーを始めたのは9才、高校サッカーで引退、以降はゆるくサッカーを継続
・小学生チームのコーチを数年経験

サンプドリアとは?――栄光と波乱の歴史

サンプドリア(U.C. Sampdoria)は、イタリア・ジェノヴァに本拠地を置く歴史あるクラブ。1946年に創設され、1990-91シーズンにはセリエAを初制覇。
ヨーロッパでも1992年の欧州チャンピオンズカップ(現CL)で準優勝を果たすなど、黄金期を築きました。
国内でもコッパ・イタリアを4度制覇するなど、その実力は折り紙付き。

日本人選手では、吉田麻也(元日本代表キャプテン)が2020年から在籍。センターバックとして主将も務め、降格の危機に瀕していたクラブを何度も救いました。
さらに遡れば、2004年には柳沢敦も在籍していたことで、日本のファンにも馴染み深いクラブです。

名門でも降格する――プロサッカーの非情さ

今回の降格劇は、「名門だからといって安泰ではない」というプロサッカーの現実を突きつけます。

サンプドリアに限らず、ヨーロッパのクラブでは財政難や経営の混乱、度重なる監督交代など、名門と呼ばれるクラブでも転落することは珍しくありません。
ピッチ上の戦力だけでなく、クラブ経営の巧拙が問われる時代です。

Jリーグでもあった、名門クラブの降格劇

こうした話は、何もイタリアだけのことではありません。私たちにとってもっと身近なJリーグでも、かつてのJ1クラブがJ3に降格するケースが起きています。

記憶に新しいのは、2023年の大宮アルディージャのJ3降格。
長年J1・J2を行き来し、多くの名選手を輩出してきた大宮が、ついにJ3に落ちたことは衝撃でした。

他にも、松本山雅FCがJ1・J2を行き来したのち、現在はJ3に沈んでいる現実。
サッカー界がいかに競争が激しく、少しのほころびが命取りになるかを物語っています。

でも、再生の可能性もある

それでも、名門には名門の底力があるのも事実。

大宮アルディージャは、J3降格からわずか1年でのJ2復帰を果たし、今シーズン(2025年)はJ2の上位を走っています。監督交代や補強が的中し、クラブの立て直しに成功しつつあります。

また、Jリーグでは清水エスパルス東京ヴェルディといった、かつての強豪もJ1復帰を果たしています。

サンプドリアの未来に希望はあるか?

サンプドリアも、このまま沈むクラブではないはずです。
伝統、ファン、スタジアム、育成組織――土台は揃っています。必要なのは、クラブを率いる確かなビジョンと安定した経営、そして新たな情熱

イタリア3部から再起を図るのは容易ではありませんが、過去にはナポリやフィオレンティーナといったビッグクラブも3部から這い上がってきました。

願わくば、数年後には再びセリエAの舞台で、サンプドリアの紺と白のユニフォームが躍動する姿を見たいものです。

まとめ:名門が消えていく寂しさ、でも希望もある

クラブの歴史やファンの想いを背負う「名門」といえど、成績次第で容赦なく奈落に落ちる。それがプロスポーツの世界です。

しかし、再生の道もまた用意されている。
大宮のように、変化を恐れず前を向くクラブには再浮上のチャンスがある。

だからこそ、サンプドリアの今後にも注目していきたい――そんな想いを込めて、本記事を締めくくります。